トランプ大統領就任による、輸出入ビジネスへの影響②2017-02-22(水)
前回は、トランプ政策の基本方針が
輸出ビジネスに向かい風になってしまう可能性について考えましたが
今回は少し違った視点で感じた事をお伝えさせて頂きます。
僕がトランプ政策が物販ビジネスに与える影響のポイントとして、考えているのは大きく2つ
前回お話しした、
「国境税調整(アメリカ版VAT及び輸出戻し税)の導入」と
「米国内法人税の減税」です。
まず、国境税調整の導入が輸出ビジネスに及ぼす影響についてですが
前回はやや否定的な考えを書きました。
しかし、ひょっとしたら国境税調整の導入が
越境ECを行う我々日本人セラーに一時的にでも
有利に働く可能性について今回はお話します。
その理由は
「どうやらトランプ大統領が国境税調整と関税を同一のものとして考えている可能性がある」
という事です。
輸入ビジネスをやられている方はご存知かと思いますが
関税と国境税調整による輸入消費税は別のものとして課税されています。
(国境税調整と関税の仕組みについて興味のある方はGoogelなどで調べて見てください。)
1月の段階でトランプは
「中国からの輸入品に45%の税をかける」発言していました。
この税というのが関税の事であれば、
アメリカへの輸入時に税金がかかるのは
まずは特定の国の特定の商材に限定される可能性が高いです。
(段階的にすべてのものにかかるようになる可能性はあります)
そして、おそらくトランプは国境税調整ではなく
関税の事を言っていたのだと思わせる話題が最近多くなっていて
先日も中国からの特定の繊維製品に対して
最大で165.39%の制裁関税が課される事がニュースになりました。
トランプはアメリカの国内産業を守るために
不当に安く入る(もしくは補助金を貰っている)中国の繊維製品に対して
中国との貿易摩擦を覚悟で関税を課すという決定をしたのです。
しかしこの決定を、第三国の日本の視点から見たらどうでしょうか?
例えば、相殺関税が課される事になった中国製の繊維と同じ素材の商品を
日本のメーカーが製造していて、日本の製品には関税が課されない状況の場合
アメリカでの中国製品に対しての日本製品の価格面での競争力はあがり
売れ行きが伸びる可能性も考えられます。
「中国製品の代わりに日本製品が売れたら
結局そこにも関税をかけられるんじゃないの?」
という考えもあると思いますが、すべての国のすべての製品に対して
いきなり高い関税をかけていくというのは政治的にもかなり難しいはずです。
「米国産牛肉に対しての関税を下げないと日本車に対しても同じ関税を課す」
と、トランプも発言しているように関税は国ごと商材ごとの交渉事になる事が一般的です。
トランプ政権が動き出してから中国からの輸入品に対して
すでに3件、制裁関税が課される事が発表されているので
注意深く状況を見ている事で、ビジネスチャンスが生まれる可能性もありますね。
次回は、米国内法人活用の可能性についてお話します。
それでは、また。
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