トランプ大統領就任による、輸出入ビジネスへの影響①2017-02-21(火)
おはようございます、柿沼です。
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さて、アメリカではついにトランプ大統領が就任しました。
連日メディアではたくさんの報道がされていますが
トランプ大統領が就任したことによって
輸出入ビジネスにはどのような影響があるのでしょうか。
色々情報を集めて僕なりに考えた事を
自分の頭の中を整理する意味も含めてお話させて頂きます。
まず、みなさんがご存知の通り
トランプ政策の一番の柱は「アメリカファースト」です。
「アメリカファースト」とは「アメリカが自国の利益を最優先する」ということですね。
アメリカファーストを進めていく中で
輸出入ビジネスに影響がありそうな事としてまず考えられるのが
アメリカへの輸入品に対して高額な関税を課すという行為です。
もしそうなってしまうと輸出ビジネスには大きな影響があります。
単純に支払う関税が高くなるだけでなく、これまでより通関に時間がかかる事も予想されます。
ところが、関税自体はWTO(世界貿易機関)での協定があるため
アメリカの一存で一方的に税率を上げる事は難しそうです。
しかし今後は、アメリカがWTOを脱退したり、抜けないまでも協定の規約内ギリギリのところまで関税率を引き上げる可能性も考えられます。
さて、一方的に関税を上げる事が難しいとしても
もうひとつアメリカへは輸入品に課税出来る方法を作ろうとしています。
それが「国境税調整」です。
国境税調整は日本の輸入消費税や欧州のVATの制度と同じもので
海外からの輸入品には課税し、輸出企業には輸出戻し税を還付する仕組みですが
これまでは統一された消費税(付加価値税)のないアメリカでは導入されていませんでした。
例えば欧州の空港には現地で購入した商品などのVAT Refundを受けられる場所がありますが
アメリカの空港にはそうしたスポットはありません。
国境税は基本的に利益に対して支払うものですが
荷物の通関時にインボイス価格に応じて事前徴収されます。
その後、輸入した商品の販売額に応じて国境税の差額を還付してもらう作業を行います。
ざっくりとしたイメージですが
例えば、国境税が20%、インボイス価格が10万円の場合
まず、10万円×20%=2万円を通関時に支払います。
輸入商品の販売価格が12万円であった場合、最終的に支払うべき国境税は
(12万円-10万円)×20%=4千円なので、差額の1万6千円を還付してもらう流れになります。
ということは、もし国境税調整が実現化した場合、アメリカのAmazonでFBA販売する際も
欧州と同様に税還付申告を行わないセラーは圧倒的に不利になってしまいます。
しかし小さな規模で輸出ビジネスを行っているセラーは
税還付申告を外部に委託する手数料が利益を大きく圧迫する事になります。
国境税調整についてもアメリカが一方的に進めた場合は
日本や欧州諸国がWTOに提訴するという意向もあるようなので
いきなり仕組みが変わるということはないかと思いますが
動向を見守る必要はありますね。
今日は少し不安を煽るような事を書いてしまいましたが
情報をしっかりと収集して色々な状況を想定しておくのは大切です。
しかし果たしてトランプ政権の誕生は、向かい風ばかりなのでしょうか?
僕はそんな事はないと思っていますので、次回はその辺りについてお話させて頂きます。
それでは、また。
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